知りたいのは未来

私の手が語る-本田宗一郎

よく、何でも百科事典のように物知りな人がいる。ああ、それ知ってる知ってる、というわけで、何かとうるさく口を出すタイプの人である。そういう人に対して私は、「ああ、わかった。だけどあんたのもってる知識は、それ、みんな過去のことなんだよ」といってやることにしている。

「おれが知りたいのは、未来なんだ」

未来というものはたしかに過去とつながっているものであるから、あくまで便宜上、過去を知るということは必要だ。ただし、われわれが本当に知りたいのは未来である。学校で習ったことや本に書いてあることを、ただ覚えているというだけでは偉いとはいえない。


自分で考えて、自分のものにして、過去の経験を活かす。
そうじゃないと「で、何?」「それで?」ということで終ってしまう。
自戒を込めて。

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